フェニカ(fennica)のやちむんを探していると、通常の買い付け品に加えて、過去の器を手掛かりに製作された復刻品や、フェニカが窯元へ特別に依頼した絵付けの器が紹介されていることに気づきます。
ただし、別注や特別製作のやちむんは一般的な工業製品の限定カラーとは性格が異なり、作り手の技術、沖縄の陶器文化、古い器への敬意、現在の暮らしで使いやすくする視点が重なって生まれるため、名称や見た目だけで価値を判断するのは簡単ではありません。
また、イベントで一度に販売される品、定番として繰り返し製作される品、数年ぶりに追加される柄、オンラインショップに掲載されない品などが混在しており、過去の記事で見た器が現在も同じ条件で購入できるとは限らない点にも注意が必要です。
ここでは、フェニカが読谷山焼北窯の松田米司工房などへ依頼してきた代表的な意匠や器種を振り返りながら、通常品との違い、サイズの選び方、手仕事による個体差、日常での扱い方、販売情報を見つける方法まで整理し、自分の食卓で無理なく使い続けられる一枚を選ぶための視点を紹介します。
フェニカ(fennica)の別注やちむんで注目したい器

フェニカの別注やちむんを知るうえで中心となるのが、読谷山焼北窯の松田米司工房との長い関係から生まれてきた器です。
過去のBEAMS公式記事では、沖縄の古陶をもとにした復刻、柳宗理の自邸で使われていた器を手掛かりにした赤絵、フェニカが特別に依頼した丸紋、久しぶりに追加製作されたジグザグ柄や馬の目柄などが紹介されています。
以下の器や意匠は常時すべてが販売される定番商品ではないため、現在の在庫一覧としてではなく、別注を見分ける際に知っておきたい代表例として捉えることが大切です。
赤絵の平皿
フェニカの別注やちむんを象徴する例として注目したいのが、松田米司工房へ依頼された赤絵の平皿です。
BEAMS公式ブログでは、フェニカのディレクターが柳宗理の自邸を訪れた際、食卓で使われていた沖縄の古陶をもとに松田米司へ製作を依頼した経緯が紹介されており、単に人気色を指定した商品ではなく、古い器の魅力を現在へつなぐ企画であることが読み取れます。
赤、緑、黄などが加わる赤絵は食卓で強い存在感を示しますが、皿の全面を派手に埋め尽くすのではなく、点や線の余白を生かした構成であれば、焼き魚、煮物、果物、菓子など和洋を問わず料理を受け止められます。
赤絵のやちむんを選ぶときは色数の多さだけに注目せず、中央に料理を盛ったときに周囲の模様がどの程度見えるか、普段使っている木の器やガラス器と並べても調和するかまで想像すると、観賞用に偏らない一枚を選びやすくなります。
同じ意匠をもとにしていても筆の太さ、色の濃淡、釉薬の流れ方は一点ごとに異なるため、画像と完全に同じものを求めるより、古陶の雰囲気を受け継ぎながら現代の手仕事として生まれた表情を楽しむ姿勢が向いています。
竹節を思わせる花器
赤絵の別注では平皿だけでなく、竹の節をイメージした花器も代表的な製作例として紹介されています。
縦方向へ伸びる花器は皿よりも立体感があり、胴のふくらみ、口の絞り方、節を思わせる形の変化、絵付けの配置が一体となるため、置く方向や見る高さによって印象が変わります。
花を生ける場合は豪華な花束を用意する必要はなく、枝物を一本だけ挿したり、庭の草花を短くまとめたりするだけでも、赤絵と土の量感が空間の焦点を作ってくれます。
一方で、花器は食器棚の奥行きや飾る場所の高さに合わないと使用頻度が下がるため、購入前には寸法だけでなく、花を入れていない時期にも単体で飾りたいと思えるかを考えることが重要です。
別注という希少性に引かれて大きな花器を選ぶより、玄関、棚、食卓など実際に置ける場所を先に決め、周囲の家具や壁の色と赤絵の強さが釣り合う大きさを選ぶほうが、暮らしの中で長く楽しめます。
丸紋の器
円形の模様が連なる丸紋も、フェニカが松田米司工房へ特別に依頼してきた意匠として公式ブログで紹介されています。
丸は単純な形に見えますが、手描きでは一つひとつの大きさ、線の揺れ、間隔が微妙に異なるため、規則的な連続模様の中にやちむんらしいおおらかさが表れます。
幾何学的な印象を持つ丸紋は、唐草や魚紋のような具体的なモチーフよりも料理の種類を限定しにくく、北欧の食器、無地の磁器、木製カトラリーなどと組み合わせやすい点が魅力です。
特に小皿や取り皿では、料理を盛ったときに模様の一部が隠れ、食べ進めるにつれて丸紋が現れるため、器を見る楽しさを食事の流れに取り込めます。
複数枚をそろえる場合は完全に同じ表情を探すのではなく、線が力強いもの、余白が広いもの、釉調が穏やかなものを組み合わせると、統一感を保ちながら手仕事の違いも味わえる食卓になります。
ジグザグ柄
ジグザグ柄は、過去に製作された別注シリーズが久しぶりに追加された例として、2022年のBEAMS公式ブログで紹介されています。
直線が折れながら連続する構成は民藝的でありながら現代のインテリアにもなじみやすく、やちむんを初めて購入する人にも取り入れやすい意匠です。
線の向きに動きがあるため、平皿では盛り付けの背景にリズムが生まれ、マカイや鉢では器を回したときに模様が連続して見え、どの方向からでも異なる表情を楽しめます。
模様の力が強く感じられる場合は、白い料理や色数の少ない副菜を合わせると落ち着きやすく、豆腐、卵料理、パン、蒸し野菜など素朴な料理ほど器の線が引き立ちます。
追加製作という言葉を再入荷が継続する一般商品と同じ意味で受け取ると買い時を逃す可能性があるため、気になる器を見つけた際は販売場所、会期、取り置き条件、通販対応の有無をその都度確認する必要があります。
馬の目柄
馬の目柄もジグザグ柄と同様に、以前依頼した別注シリーズの追加製作品として紹介されたことがある意匠です。
渦を巻くような円形の線は器の中央へ視線を集めるため、皿そのものに力があり、料理を盛っていないときにも壁面や棚の上で印象的に見えます。
一方で、大胆な模様は料理と競い合うこともあるため、最初の一枚として選ぶなら、主菜用の大皿よりも取り皿や菓子皿として使える大きさから試す方法が現実的です。
焼き菓子、果物、刺身、漬物など形が明確な料理を中央へ少量盛ると、周囲に残った渦状の線が額縁のように働き、器と料理の双方を引き立てられます。
馬の目柄は名称が同じでも窯元や製作時期によって線の太さや構成が異なるため、フェニカの別注品を探している場合は、柄名だけで判断せず、商品説明や公式ブログで工房名と製作背景まで確かめることが大切です。
復刻の按瓶
按瓶は持ち手まで陶土で作られた沖縄独特の器形で、松田米司が以前に作っていたものを復刻してもらった別注例として紹介されています。
急須や土瓶に似ていますが、胴と一体化するような陶製の持ち手が大きな特徴であり、棚へ置くだけでも沖縄の生活道具が持つ造形の力を感じられます。
実際に飲み物を入れて使う場合は、本体の重さに中身の重さが加わること、持ち手や注ぎ口が繊細であること、一般的な急須とは重心が異なることを理解したうえで、両手を添えて扱うと安心です。
花器として枝物を挿したり、何も入れずに造形を眺めたりする使い方もできるため、茶器としての使用頻度が低い家庭でも暮らしへ取り入れる余地があります。
復刻品は昔の形を機械的に再現した複製ではなく、現在の土、釉薬、窯の状態、作り手の判断を通して新たに焼かれるため、資料的な正確さだけでなく、今の器としての生命力を見ることが選ぶポイントです。
特別絵付けの日常皿
フェニカの別注やちむんには、強い造形性を持つ花器や按瓶だけでなく、日々の食卓で使いやすい平皿や小皿に特別な絵付けを施したものもあります。
2025年のOKINAWAN MARKETを案内する公式ブログでも、松田米司工房から通常の日常使いの器とともに、フェニカが特別に依頼している絵付けのやちむんが届くことが告知されていました。
特別な器という言葉から飾っておく高価な作品を想像しがちですが、日常皿として製作されたものは、朝食のパン、昼食の取り皿、夕食の副菜など繰り返し使うことで絵付けの魅力を実感できます。
購入時には模様だけでなく、縁の立ち上がり、皿の深さ、重量、高台の安定感を確かめると、自宅でよく作る料理との相性を判断しやすくなります。
使用場面が思い浮かばないまま希少性だけを理由に選ぶより、週に一度以上使える献立を三つほど挙げられる器を選ぶほうが、別注の背景を尊重しながら道具として育てられます。
五寸皿と七寸皿
フェニカでは松田米司工房の五寸皿や七寸皿が継続的に紹介されており、別注意匠を探す際にも使い勝手を判断する基準となる器種です。
五寸皿は取り皿、菓子皿、副菜皿として使いやすく、柄が大胆でも食卓全体を支配しにくいため、初めてやちむんを購入する人や異なる柄を少しずつ集めたい人に適しています。
七寸皿は一人分の主菜、朝食の盛り合わせ、カレーやパスタなどを受け止められる一方、同じ模様でも面積が広くなることで絵付けの印象が強くなるため、手持ちの器との色合わせが重要になります。
公式商品ページでは、手仕事による形や柄の違いに加え、重ね焼きによって皿の中央に蛇の目と呼ばれる輪が生じる場合があることも案内されているため、写真通りの模様だけを期待せず、製法の痕跡を含めて選ぶ必要があります。
別注柄を一枚だけ購入するなら使用頻度の高い七寸皿、複数の表情を集めたいなら収納しやすい五寸皿という考え方もできますが、最終的には食事量、棚の奥行き、手持ちの皿との重なり具合を基準に決めるのが確実です。
フェニカの別注が選ばれる理由

フェニカは2003年からデザインとクラフトの橋渡しをテーマに掲げ、日本を中心とする伝統的な手仕事と、北欧をはじめとした新旧のデザインを組み合わせた生活提案を行ってきました。
その視点から生まれる別注やちむんは、伝統を見た目だけ利用した商品ではなく、作り手との継続的な関係を土台に、過去の器を現代の生活へどう受け渡すかを考えたものとして捉えられます。
希少性だけでなく企画の背景や使い勝手まで見ることで、通常の買い付け品と別注品のどちらが自分に合うかを冷静に選べます。
古陶を今の暮らしへつなぐ
フェニカの別注で特徴的なのは、古い沖縄の器や生活の中で実際に使われていた器を手掛かりにしながら、現在の作り手へ製作を依頼している点です。
赤絵の平皿や竹節を思わせる花器の例では、柳宗理の自邸にあった沖縄の古陶が出発点となっており、骨董市場で古作を探す方法とは異なる形で意匠を暮らしへ取り戻しています。
古陶そのものは状態、価格、真贋、扱いの難しさなどから日常使いのハードルが高い場合がありますが、現代の作り手による器なら、歴史を感じさせる意匠を普段の料理に合わせやすくなります。
ただし、復刻という言葉を寸分違わないコピーと考えるのではなく、元となる器の精神や造形を受け取りつつ、作り手の手と窯を通して新しい表情へ変わるものと理解することが重要です。
背景を深く知りたい場合は、赤絵の製作経緯を紹介するBEAMS公式ブログなどを読み、どの古作から何を受け継いだ企画なのかを確認すると、器を見る視点が広がります。
通常品との違い
フェニカで扱われるやちむんは、別注品だけでなく、窯元が継続して作る日常の器、現地で買い付けた一点物、イベントに合わせて届く新作などで構成されています。
別注だから必ず通常品より高品質であるという単純な関係ではなく、誰が意匠や器形を提案したか、過去の製作例を復刻したか、特別な絵付けを依頼したかという企画上の違いとして理解するのが適切です。
| 区分 | 主な特徴 | 選ぶ際の視点 |
|---|---|---|
| 別注品 | フェニカ独自の依頼 | 製作背景を確認する |
| 復刻品 | 古作や旧作を手掛かりに製作 | 元となる意匠を見る |
| 通常品 | 窯元の定番や日常の仕事 | 用途と使いやすさを見る |
| 買い付け品 | 現地で選ばれた器 | 一点ごとの表情を見る |
商品名に別注の表記が見当たらない場合でも公式ブログで特別製作と説明されることがあるため、オンラインの商品名だけで区分を決めず、イベント記事やスタッフの紹介文まで読むことが判断材料になります。
反対に、通常品にも作り手の長年の技術や窯の魅力が十分に表れるため、限定性を最優先せず、実際に使いたい形と心を引かれる焼き上がりを選ぶことが満足につながります。
相性がよい人
フェニカの別注やちむんは、限定品を集めたい人だけでなく、器の背景を知り、日常の道具として使いながら伝統と現代の関係を楽しみたい人に向いています。
一方で、寸法、色、模様が完全にそろった器を必要とする人や、掲載写真と同一の仕上がりを求める人には、手作業と登り窯による個体差が負担になる可能性があります。
- 民藝と現代デザインの両方が好きな人
- 古い器の意匠を日常で楽しみたい人
- 一点ごとの違いを個性として受け入れられる人
- 料理を盛って器を育てたい人
- 製作背景まで含めて選びたい人
購入前には、自分が希少性、作り手、意匠、用途のどれに最も引かれているかを整理し、別注という言葉がなくても欲しいと思える器かを考えると、勢いだけの購入を避けられます。
使うほど愛着が増すタイプの器を探している人にとっては、細かな揺らぎや焼成の痕跡まで含めて、同じものが二つとない魅力を感じられる選択肢です。
食卓に合う器種とサイズの選び方

別注やちむんを選ぶときは、模様や製作背景に意識が向きやすいものの、使用頻度を左右するのは器の大きさ、深さ、重さ、縁の形です。
気に入った意匠でも、自宅で作る料理の量や収納場所に合わなければ、棚に飾ったままになり、手仕事の器を日常で使う楽しさを十分に得られません。
普段の献立と現在持っている器を思い浮かべ、役割が重なりすぎない器種を選ぶことが、別注品を特別扱いせず暮らしへ定着させる近道です。
平皿は直径から決める
平皿を選ぶ場合は、名称に使われる寸だけでなく、商品ページに記載された実寸、縁の立ち上がり、盛り付けに使える平らな部分の広さを見る必要があります。
同じ七寸相当でも、リムが広い皿と縁まで平らな皿では料理を置ける面積が異なり、煮汁のある料理への向き不向きも変わります。
| 目安 | 主な用途 | 選びやすい人 |
|---|---|---|
| 三寸前後 | 薬味や小さな菓子 | 柄を少しずつ集めたい人 |
| 五寸前後 | 取り皿や副菜 | 初めて購入する人 |
| 七寸前後 | 主菜や一人分の盛り合わせ | 日常で頻繁に使いたい人 |
| 八寸以上 | 大皿料理やワンプレート | 器を食卓の主役にしたい人 |
五寸皿は用途が広く収納しやすい一方、主菜を盛るには小さい場合があるため、最初から一人分の料理を完結させたい人には七寸前後が使いやすくなります。
大皿の別注意匠は見栄えがしますが、食器棚、食洗機、洗いかごへ無理なく収まるかを測り、持ち上げたときの重さまで想定してから選ぶことが大切です。
鉢やマカイは深さを見る
沖縄で碗を指すマカイや深さのある鉢は、ご飯や汁物だけでなく、麺、丼物、サラダ、煮物など幅広い用途を持ちます。
絵付けが外側にある器は料理を盛っても模様が見えやすく、内側に模様がある器は食べ進めるにつれて意匠が現れるため、使う場面を想像して選ぶと楽しみが増します。
- 浅めの鉢はサラダや煮物向き
- 深めのマカイはご飯や汁物向き
- 口径が広い形は麺料理向き
- 高台が安定した形は日常使い向き
- 外側の絵付けは重ねても見つけやすい
容量だけでなく、口縁が唇に当たる感触、片手で持てる重量、熱い料理を入れたときの持ちやすさも、店頭で確認したいポイントです。
柄の美しさを優先しすぎて深さが用途に合わないことを避けるため、現在よく使っている碗へ水を入れて容量を測り、候補の寸法と比べる方法が役立ちます。
酒器や花器は置き場所を決める
カラカラ、按瓶、徳利、花器など沖縄らしい器形は造形の魅力が強く、別注品やイベント品の中でも目を引く存在です。
しかし、平皿より使用目的が限定されるため、購入後に何を入れるか、どこへ収納するか、使わない期間にどのように飾るかを決めておく必要があります。
酒器として頻繁に使わない家庭では、小さな花器として利用したり、枝物やドライフラワーを飾ったりすることで、器形の魅力を日常へ取り入れられます。
水を入れて使用するときは、底面の安定、口からの水の注ぎやすさ、内側の乾燥しやすさを確認し、使用後に水分を残さないことが清潔に保つ基本です。
存在感のある器ほど衝動的に選びやすいため、棚の高さと奥行きを測り、手を伸ばしたときに無理なく出し入れできる場所があるかを確かめてから購入すると、飾るだけで終わりにくくなります。
個体差を楽しみながら長く使うコツ

フェニカで扱われるやちむんは手仕事で作られているため、同じ商品名や意匠でも形、模様、色、釉薬の表情に違いが生じます。
個体差は不良を意味するものではありませんが、欠けやひびなど使用に影響する状態との区別が必要であり、購入前に商品の注意書きや返品条件を読むことが欠かせません。
焼成の痕跡を理解し、急激な温度変化や長時間の浸け置きを避けて扱うことで、特別な器を日用品として無理なく使い続けられます。
焼き上がりの違いを見比べる
やちむんの表情は、成形したときのわずかな揺らぎ、絵付けの筆圧、釉薬の厚み、窯の中で置かれた位置、炎や灰の当たり方などによって変わります。
オンライン購入では掲載写真が代表例であり、実際に届く器の模様や色合いが完全に一致しない場合があるため、商品ページに個体差の案内があるかを確かめる必要があります。
| 見られる違い | 生じる要因 | 選ぶ際の考え方 |
|---|---|---|
| 模様のずれ | 手描きの絵付け | 線の勢いを楽しむ |
| 色の濃淡 | 釉薬や焼成温度 | 料理との相性を見る |
| 形の揺らぎ | 手作業の成形 | 安定性も確認する |
| 小さな凹凸 | 土や釉薬の性質 | 使用への影響を判断する |
| 寸法の差 | 乾燥と焼成の収縮 | 収納には余裕を持たせる |
店頭で複数の器を選べる場合は、正面からの見た目だけでなく、横から見た傾き、テーブルへ置いたときの安定、手に持った重量感まで比べると、実用品として納得できる個体を選べます。
模様が整ったものだけを優良と考えず、自分が心地よいと感じる余白や線の揺れを基準にすると、他人の評価に左右されない一枚と出会いやすくなります。
蛇の目や目跡を理解する
やちむんの平皿では、重ね焼きによって中央に釉薬のかかっていない輪状の部分が残ることがあり、一般に蛇の目と呼ばれます。
器を効率よく窯へ収めて焼くための製法から生じる痕跡であり、すべての皿に同じ大きさや状態で現れるわけではありません。
- 中央の輪は製法による痕跡
- 最上段の器にはない場合がある
- 色や質感は一点ごとに異なる
- ざらつきの程度も個体差がある
- 商品説明で有無を確認する
蛇の目がない器だけを完成度が高いと判断するのではなく、沖縄の器作りと窯仕事を伝える特徴として受け止めると、別注意匠の背景も立体的に見えてきます。
ただし、テーブルを傷つけそうな底面の強いざらつきや、使用に不安を感じる鋭い箇所がある場合は、自己判断で削る前に販売店へ状態を相談することが安全です。
毎日の手入れを習慣にする
購入した器は販売元や窯元が示す扱い方を優先し、初回使用前の処理、電子レンジや食洗機への対応、オーブン使用の可否を個別に確認します。
日常では使用後に長時間水へ浸けたままにせず、柔らかいスポンジで洗い、底や高台まで十分に乾かしてから食器棚へ戻すことが基本です。
油分や色の濃い料理を盛る場合は、使用前に器をさっと水へくぐらせて表面を湿らせる方法が役立つこともありますが、器ごとの案内がある場合はその指示へ従います。
熱くなった器へ急に冷水をかけるなどの急激な温度変化はひびの原因になり得るため、温度が落ち着いてから洗う習慣をつけると安心です。
別注品だから使わず保管するのではなく、丁寧に洗って乾かし、料理との組み合わせを少しずつ増やすことで、購入時の希少性とは異なる自分だけの価値が器に加わります。
販売情報を逃さず購入する方法

フェニカの別注やちむんは、BEAMS公式オンラインショップへ掲載される場合もあれば、店舗や期間限定イベントを中心に販売される場合もあります。
窯出しの時期、入荷数、イベントの運営条件によって販売方法が変わるため、過去と同じ通販対応や取り置きサービスを期待せず、その年の公式案内を確認する必要があります。
気になる意匠を見つけたら商品名だけを検索するのではなく、工房名、イベント名、公式ブログ、店舗情報を組み合わせて追うことが入手機会を増やします。
公式通販と店舗を使い分ける
現在販売されているフェニカの商品を探す際は、BEAMSのフェニカ公式ページから商品、ブログ、取り扱いショップの情報をたどる方法が基本です。
オンラインショップは価格、寸法、在庫表示、商品番号を確認しやすく、遠方から購入できる利点がありますが、個体差のある器を自分の目で見比べられない点を理解する必要があります。
店舗では色の濃淡、筆の勢い、器の重さ、底面の状態を直接比べやすいため、複数の個体から選びたい人や初めて大きな皿を購入する人に向いています。
在庫表示は確認時点から変動する可能性があり、別の客による購入や取り置きが行われることもあるため、来店前に店舗の在庫と販売条件を問い合わせると移動の無駄を減らせます。
商品ページに掲載がなくてもイベントで販売される器があるため、通販だけを見て品ぞろえがないと判断せず、公式ブログや店舗の発信も併せて確認することが大切です。
OKINAWAN MARKETを確認する
フェニカは沖縄のやちむんをはじめ、琉球ガラス、紅型、金細工、玩具、食品などを紹介するOKINAWAN MARKETを継続的に開催してきました。
イベントでは通常の取り扱い品に加えて、複数の工房から届いた器や特別に依頼した品がまとまって並ぶことがあり、作風や器種を比較する貴重な機会になります。
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 開催日 | 会期初日に集中する品がある |
| 開催店舗 | 年によって会場が異なる場合がある |
| 販売開始時間 | 入場方法が定められる場合がある |
| 通販対応 | 会期中は対象外の場合がある |
| 取り置き条件 | イベント品は不可の場合がある |
| 点数制限 | 購入数が制限される場合がある |
2026年の開催案内でも会期中の商品について取り置き、取り寄せ、通販を受け付けない旨が示されていたため、過去の商品ページに購入機能があったとしても、イベント会場の商品へ同じサービスが適用されるとは限りません。
最新情報はフェニカの公式ブログで発信されるため、開催前の記事だけでなく、初日の入荷紹介や会期中の追加案内も見ると販売状況を把握しやすくなります。
工房名と意匠を記録する
別注やちむんは販売数が限られ、同じ意匠が毎年必ず製作されるわけではないため、見つからない商品を短期間で追い続けるより、再登場へ備えて情報を整理する方法が有効です。
気になる器を見つけたら画像だけを保存するのではなく、工房名、作り手、器種、寸法、柄名、商品番号、掲載年を記録すると、後から似た器と混同しにくくなります。
- フェニカ公式ページを定期的に見る
- 公式ブログで工房名を検索する
- 商品番号を記録する
- お気に入り機能を活用する
- イベント前の案内を読む
- 再入荷通知の対象か確認する
中古市場で探す場合は、別注という記載だけを信用せず、公式の過去記事や商品情報と照らし合わせ、工房名、寸法、模様、付属情報が一致するかを慎重に判断します。
再登場を待つ間に同じ工房の通常品を使ってみると、器の重量、釉調、日常での使いやすさを知ることができ、別注意匠が入荷した際にも自分に必要なサイズを迷わず選びやすくなります。
別注やちむんは背景まで知って選ぶ
フェニカの別注やちむんには、柳宗理の自邸で使われていた沖縄の古陶を手掛かりにした赤絵、丸紋、ジグザグ柄、馬の目柄、復刻された按瓶など、過去の仕事や暮らしの記憶を現在へ受け渡す試みが見られます。
魅力は入手数の少なさだけにあるのではなく、フェニカが作り手と関係を築きながら、古い意匠を今の食卓で使える器として提案している点にあり、製作背景を知るほど通常品との優劣では語れない価値が見えてきます。
選ぶときは、別注表記や模様の珍しさだけで決めず、五寸皿や七寸皿などの大きさ、料理を盛れる面積、器の重さ、収納場所、手仕事による個体差を確かめ、自宅で繰り返し使える一枚かを考えることが大切です。
販売時期や購入方法は商品とイベントによって異なるため、BEAMS公式の商品ページ、フェニカのブログ、OKINAWAN MARKETの案内を確認し、過去の記事で紹介された品が常時購入できるとは限らないことも理解しておきましょう。
器の線の揺れや焼成の痕跡を受け入れ、料理を盛り、洗い、乾かす時間まで楽しめる一枚を選べば、別注やちむんは特別な収集品にとどまらず、沖縄の手仕事と現在の暮らしを結ぶ身近な道具として育っていきます。



